食事

出ないの?壊しているの?お腹の調子を整えるには。

おなかの調子が悪い時に食べると良い食材は?

2017.01.31 高橋 千華

おなかの調子が悪い時に食べると良い食材は?

トクホの「おなかの調子を整える食品」という表示を見ては、なんてアバウトな謳い文句だろうかと常々思います。もし身近な人に「おなかの調子が悪くて」と相談されたら、「出ないの? 壊しているの?」と聞きませんか? そのように人によっておなかの不調とは事情が異なるのです。
しかし当然ながら、「おなかの調子を整える」という謳い文句に偽りはないのです。その理由をご説明していきます。

整っている状態を知りましょう

目指すゴールは「おなかの調子が整っている状態」。でもそれって、つまりどんな状態なのでしょうか。簡単に言うと、「腸内環境のコンディションが良い状態」となると思います。
私たちの腸内には多くの腸内細菌が存在しています。その数は100兆個とも、その種類は1000種類以上とも言われる、大変多くの細菌たちです。それらは大きく、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分けることができます。
善玉菌と悪玉菌の存在は知っていても、日和見菌って何? と思われた方もいらっしゃるかもしれません。日和見菌は善玉や悪玉の性質を持っているのではなく、その時優勢な方に味方する菌です。つまり多数決の原理では、日和見菌を味方につけてこそ腸内細菌の勢力争いに勝てるのです。
日和見菌が善玉菌の味方についてくれたら良いわけですが、日和見菌が優勢な方に味方をするわけですから、善玉菌が元気でなくてはなりません。ですからいわゆる「おなかの調子を整える食品」とは、善玉菌を元気にしてくれる要素を持っている食品なのです。

オリゴ糖を含む食品

オリゴ糖には善玉菌のうち、ビフィズス菌を増やす作用があるとされています。オリゴ糖を多く含む食品には、はちみつやバナナ、発酵調味料であるしょうゆや味噌があります。オリゴ糖のみが甘味料となって販売されていますので、そういったものをご利用になるのも良いと思いますが、摂り過ぎなどによってはおなかが緩くなることもあります。

乳酸菌を含む食品

善玉菌である乳酸菌そのものを食品から摂取するという方法もあります。ちなみに乳酸菌とは、乳酸を産生する菌の総称なので、ビフィズス菌も乳酸菌の一種。種類は複数あるということです。
乳酸菌が腸内に生きたままたどりつけるのか、あるいは100兆個とも言われている腸内細菌にどれだけの乳酸菌が届けば優勢になるのか、という議論もありますが、少なくとも乳酸菌が生きたまま届かなかったとしても、その死骸は腸内にある善玉菌のエサとなることでやはり善玉菌を増やす助けになりますので、有効であると言えます。
ヨーグルトはおなかに良いイメージがありますが、イメージだけでなく乳酸菌を含んでいますのでおなかにはうれしい食材と言えるでしょう。

食物繊維を多く含む食品

食物繊維には水に溶けてヌルヌルとすることで血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロールの吸収を抑制したりする働きのある「水溶性食物繊維」と、水には溶けず水分を吸収して膨れることで腸の壁を刺激して便通を促してくれる「不溶性食物繊維」の2種類があります。食物繊維はヒトの消化酵素では分解されにくいため、腸で腸内細菌のエサにもなってくれます。
体内の余分なものを排泄する作用がおなかの調子を整えてくれることは共通しているものの、体質によっては不溶性食物繊維で便通が良くなる方と、少しおなかが張って痛く感じるような方とがいらっしゃるようです。不溶性食物繊維があまり合わない方でも、水溶性食物繊維との相性が良い場合もあります。
野菜や果物、海藻類、きのこ類などからの摂取が期待できますが、とくに野菜やきのこには不溶性食物繊維、果物や海藻には水溶性食物繊維が多い傾向にありますので、体質と相談しながら種類を意識して摂取してみると良いでしょう。
また、ごはんを玄米や分搗き米、雑穀を混ぜたものにするのも不溶性食物繊維の摂取につながります。主食は毎日口にするものですので、食物繊維の摂取が増やしやすい食材です。

まとめ

「おなかの調子を整える」と言うと、「便秘を解消するには?」「下痢の時に向いている食べ物は?」などと考えがちです。たしかに目の前にある不調に向き合うのも大切ですが、長い目で腸の調子を整えることを意識すると、いずれの悩みも解消されることでしょう。