食事

「グルテンフリー」について、管理栄養士の視点から考えてみます。

ダイエットでよく聞く「グルテンフリー」とは?

2016.10.14 高橋 千華

ダイエットでよく聞く「グルテンフリー」とは?

「グルテンフリーダイエット」というダイエット方法を目にする機会も少なくありませんが、実際にはどのようなことを行うのか、知っているようでわからない部分もあるのではないでしょうか。どのような点が注目を集め、またそれらの情報は正しいのかどうか、考えていきたいと思います。

グルテンとは

グルテンとは小麦が含むグルテニンとグリアジンが形成するたんぱく質のことです。小麦粉を水で捏ねるとグルテンを形成するので、それによってパン生地が形作れたり、うどんがモチモチとしたり、小麦製品特有のおいしさを生み出します。今回のテーマである「グルテンフリー」とは、グルテンを含む食品を食べないということですので、小麦製品を排除する食生活のこと、と説明できます。小麦に食物アレルギーを持つ人は少なくありません。グルテンはその原因となることの多い成分です。
グルテンを形成するのが小麦の大きな特徴ではありますが、大麦やライ麦でもグルテンに似た成分が含まれるとして、グルテンフリーダイエットを実行する方の中には大麦やライ麦も口にしない場合もあります。一方でライ麦にはグルテンが含まれないため、「グルテンフリーダイエットに適している」としてライ麦パンを推奨する見解もあり、意見の分かれるところのようです。

なぜグルテンフリーでダイエット?

さて、グルテンはたんぱく質であるとご説明しましたが、皆様ご存知でしたでしょうか。グルテンは小麦に含まれていることから、グルテンフリーダイエットを糖質制限ダイエットだと思っておられる方もいらっしゃるのですが、実は別のものなのです。
日本以上に小麦食中心となるアメリカをはじめとする諸外国では、グルテンフリーとはほぼ主食を断つことに等しく、その良し悪しは別としてダイエット効果をもたらしたと考えられます。また検査では明確なアレルギー症状までは呈さなくても、体質的にグルテンが身体に負担となっている方も少なくないと言われています。そのような方がグルテン断ちをすると、なにかスッキリとした感覚を覚えるようで、これらの体験談からグルテンフリーの考え方が広がりました。

グルテンフリー、実行すべき?

さて小麦を使った食品を食べる機会もすっかり増えたとはいえ、まだまだ主食の中心はお米である日本人は、グルテンフリーをどのように考えたらよいのでしょうか。
まず考えたいのは、自分はグルテンが負担になる体質なのかどうか。厳密に知りたいのであればアレルギー検査をするのも方法の一つではあります。また検査結果では検出されなくても心当たりがある、というような方はグルテンフリーを実行してみても良いでしょう。
ただし繰り返しになりますが、これは糖質制限ではありませんので、小麦製品を止めて代わりに米や蕎麦といった炭水化物を摂取して栄養のバランスを取りましょう。
グルテンに対するアレルギー症状に思い当たらない方は、何のためにグルテンフリーを実行したいのか、目的の整理が必要です。ダイエットが目的であるなら、確かにパンやパスタに偏った食事はエネルギー過多になりやすい点に着目すべきではないかと思います。パンはバターなどの油脂類を含みますし、種類によっては砂糖も多く高エネルギーとなります。パスタも食べ方次第で油脂や乳製品などと合わさることでエネルギーが加算されていきます。お米は炭水化物中心ですので、エネルギーがないわけではありませんが、おかずと一緒に食べ進めるため砂糖や油脂を使って米自体を調理する必要がありません。ですから主食として食事全体のエネルギーをコントロールする上では扱いやすいという利点があります。
グルテンに対してアレルギーにも思い当たらない、ダイエットも考えていない、という方については、グルテンフリーを強く意識する必要はないのではないかと思われます。

まとめ

グルテンフリーを強く推し進めるものではありませんが、グルテンを意識すると思いのほか私たちの食生活で小麦の登場回数が多いことに驚かれるかもしれません。ホワイトソースのようなソース類も、ソースに濃度をつける際には小麦粉を使いますし、揚げ物の衣にも小麦粉が使われる機会も多くあります。自分が食べているものを丁寧に振り返り取捨選択できるようになるのであれば、グルテンフリーの考え方を学ぶのも決して無駄ではないと、考えています。